1、家を継ぐ気のなかった長男がまさかの2世帯住宅を希望
私の兄は4人兄弟の長男。幼くしてずっと「俺は家を継ぐ気はない。」「後は任せた。」とずっと家業を継ぐことなく家から出ることに憧れを抱いていました。親もずっとその気持ちを知っていたので強く家を継ぐことを勧めていませんでした。ところがある日、兄が神妙な面持ちで両親に言います。
「俺!家を継ぐよ!」
家族一同驚きを隠せませんでした。どうやら聞くと結婚を考えていた彼女のお腹に赤ちゃんがいることが発覚。
彼女は新築の憧れが強い。だが急なことでお金がない。現在の家は築年数も経過してボロボロ。全てを一撃で解決する方法として長男が思い至ったのが「家業を継ぎ、家を建て替え、2世帯として親の馬力を頼りにローンを返す」という作戦でした。
2、有頂天ファミリー!
期待していなかった長男の思わぬ発言と、初孫の誕生で一気に沸き立つ家族一同。立替の話もすごい勢いで計画は進み始めました。私以外の全員がお祭り騒ぎでどんどん夢は膨らみます。仕様が良くなるので恐ろしい額になりますが、二馬力ならちょっと背伸びしてもいいという安直な考えで身の丈以上になっています。これはマズイと止めようものならおめでたい話に水を差すなと言わんばかりの視線が突き刺さります。そのままの勢いで竣工を迎えます。
3、想定外の結末
こうして予算も規格外の夢の2世帯住宅が完成しました!ピカピカの新築!円満な家族・・・!が、1年後、長男まさかの離婚!!!まさかの2世帯住宅が離婚の一つの理由という皮肉!
こうして膨大なローンを返済することのみが残りましたが長男は家業を継がざるを得なくなり、大きな家は親族が集う憩いの場になりました。これはこれでよかったのかもしれません・・・。